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米国でバンド - 初めてのミュージックカンファレンス

ミュージックカンファレンスとは?

ミュージックカンファレンスって会議?と思う人は多いかもしれませんが

 

これは、音楽業界の人が一般人に対して業界のことを

 

セミナー形式でシェアしてくれるところであると同時に

 

バンドからすると、自分たちのライブを業界関係者に見せることができる

 

貴重な場所でもあります。

 

昼間は、開催される地域のいたるところで

 

レコードレーベルや、レコード契約に関係する人

 

ライブ会場でブッキングをする人などから

 

色々な実情を聞けるまたとないチャンスの場所です。

 

なぜ、貴重なのかというと

 

業界の人は、基本的にバンド当事者とは話をしません。

 

問題にならないよう代理人を通して話をするのが

 

大手レーベルの手法です。

 

代理店は、弁護士かマネージャーを意味します。

 

では、私がミュージックカンファレンスで得た知識をできる限り

 

話していこうと思います。

 

まずマネージャーを雇うこと

ローカルバンドをやっている人の多くが、マネージャーなんて大げさなって思っていると思います。

 

私も当時は思っていましたし、それよりもマネージャーに払うお金をどこから捻出するんだと思っていたくらいです。

 

一般的にマネージャーのイメージって、私はダウンタウンの番組でよくマネージャーがいじられていたのを覚えていますが、そのようにタレントとの上下関係が、タレントより立場が低いと思い込んでいました。

 

日本の芸能界では、マネージャーの立ち位置がどうなっているのかは分かりませんが、少なくともミュージックカンファレンスで知った情報は、マネージャーの立場非常に重要だということです。

 

現場を一緒に回るマネージャーと、バンドと一緒に回ることはないマネージャーの2種類がいます。

 

ローカルバンドでレコード契約を結んでいない場合は、このマネージャーをマネージメントを担当している会社から依頼することも可能ですし、自分の知り合いにマネージメント会社を立ち上げるような形でマネージャーになってもらうという方法もあります。

 

いずれの方法でも、バンドのマーケティング活動を見つける、ブッキングするような仕事は、バンドのメンバーでない方が話を聞いてくれる可能性が高いです。

 

今、バンド活動を米国でしている人がいるのであれば、まずはマネージャーを見つけましょう。

 

マネージャーの見つけ方

私のバンドは、マネージャーを持つ機会はありませんでしたが、もてるタイミングが1度だけありました。

 

マネージメント会社に自分のプレスキットを送りまくったものの一つが、運よく見てもらえマネージメント契約をしたいといってきてくれました。

 

基本的にマネージャーのお給料は、出来高でした。マネージャーの取り分が欲しければ、それだけ高額のオファーを見つけてこなければならない、とそういうことなので、お金がなくて雇えないと途方に暮れる必要はありません。

 

むしろ、給料制というマネージメントいるかもしれませんが、自分たちが売れていないうちは、出来高でお願いするしか方法がありませんよね。

 

マネージメント会社のリストは、このブログでも紹介しましたが、Musician's Atlasという冊子に全てリストが載っていました。

 

イエローページのミュージシャンバージョンです。

 

マネージメント、レーベル、弁護士、ライブ会場、CD量産業者など、バンド活動に必要な全てが載っています。

 

プレスキットとは?

プレスキットは、バンドを売り込むために担当者に送る書類のことを言います。

 

この中には、

  • バンド写真
  • バンドプロファイル
  • 音源
  • 名刺

が含まれています。

 

このセットをいくつも作っておいて、まとめて業界関係者に送ります。

 

バンド写真はどういうの?

バンドの写真は、自分たちで撮らず、プロのカメラマンにお願いして撮影してもらいましょう。

 

Musician's Atlasにも載っていましたが、普通にカメラマンを検索して、手ごろの価格のカメラマンに依頼をします。

 

Musician's Atlasにリストされているカメラマンだと、最終的に選んだ写真を、メディアキットように編集をして出力、そのデータも一緒にくれます。

 

後は、必要に応じてフォトペーパーに印刷をしてメディアキットに入れるだけです。

 

音源の構成の仕方

音源は、バンドのメンバーであれば、それぞれ聞いてもらいたいという曲があるかもしれませんが、実際にA&Rと呼ばれるタレント発掘の担当者は、1日に処理しきれないほどのメディアキットが届きます。

 

1つのバンドにかける時間が殆どありません。

 

大事なのは、「CDを聞く」というところまで惹きつることです。

 

封筒を開けてもらえないこともよくあります。

 

封筒を開けた後、曲を聴く前に、ダメだと判断された、というケースも多いです。

 

小さいレーベルだと全て全曲聞いてくれることもあるようですが、多くの場合10%くらいしか聞いてもらえないと考えて間違いないと思います。

 

CDを聞いてもらえたが最初の15秒で停止ボタンを押される、ということも、曲を聴くまで至ったバンドのあるあるです。

 

上記をまとめると、好みに関係なく、インパクトのある曲で、その曲の魅力が最初の15秒に入っている曲を1曲目に選んでください。

 

この15秒を聞いた時に、その先の曲の流れをある程度予測出来て、聞く側が期待する要素がその後に出てきたら、恐らく、その先の可能性があるでしょう。

 

多くて3曲ほど入れて、どの曲も、同様に最初の15秒にインパクトを期待させられるようなフレーズのものを選んだ方がいいです。

 

一番入れてはいけない曲は、15秒ほどSEが流れるパターンです。

 

そこまで聞いてくれません。

 

名刺の作成

これは、連絡先の電話番号とメルアドが書かれてあれば十分でしょう。

 

バンドで色々なライブ会場を回ると思いますが、色々な人に会うと思います。

 

別のバンドであっても、知り合った人に対して名刺を配っていました。

 

今は、名刺はいらないと思います。WhatUpを交換するなど、様々な方法がありますので、一番先方にとって楽な方法を取ってください。

 

バンドプロファイル

これは、バンドの結成から今に至るまでの経緯とどのような活動履歴があるかを、読み手に伝えるものです。

 

転職の際に必要となる履歴書と同じです。

 

この履歴書での活動が幅広く全て自分達で行っているほど、相手はFan Baseが大きいんだろうと期待をします。

 

レコード契約する場合に、既にファンベースが何カ所で大きくなっていると非常に有利です。これが担保になり、契約後の成長の速度が予測できるため重要です。

 

上記の理由で、契約されれば売れる流れに乗せてくれますが、自分たちで何もできないバンドは契約もしてくれないのが実情です。

 

自律してしていること

相当なタレント性やカリスマ性があることを除き、基本的にレーベルが契約したいと思うバンドのペルソナは、自律していることです。

 

無色で音楽だけをしていて、活動も人任せ、ブッキングされたらライブをする、というような受け身な活動をしていると目にも留まりません。

 

バンドで契約を取るというのは、それだけで食べていくということです。

 

契約を取った瞬間から食べていくことはできません。

 

なので、契約を取るために活動をするのはやめましょう。

 

自分達の力でバンドだけで食っていけるようには、ならないという前提の中で、全て自分たちでできることをしていく必要があります。

 

まずは、起業したスタートアップの社長のようなアプローチをバンドにしていきましょう。

 

バンドは既に結成しているので、以下のように考えて活動をしていくといいでしょう。

 

  • 作曲は、新商品開発
  • レコーディングは、製造
  • CD販売が、セールス
  • ライブが広報活動
  • SNSが認知拡大

こう考えれば、起業した会社と考え方や姿勢は変わりません。

 

このような考え方で、自分たちでできることは、全てこなしてファンベースを拡大していきましょう。

 

カンファレンスでショーケース

ショーケースというのは、ライブをすることを意味します。

 

ミュージックカンファレンスには、あらかじめデモのデータを送り、ショーケースのラインナップに選出されるかの審査をします。

 

ここで選ばれると、カンファレンスが行われる地域にある、ほぼすべてのライブ会場がカンファレンスのショーケースの会場になります。

 

参加した自分達からすると、どこかで関係者が見ているんだろうなと思う反面、そういう人物が全く見当たらないか分からないので、緊張もありません。

 

何度か参加しましたが、何も変化はありませんでした。

 

これには、見る側がチェックする項目があります。

 

  • 楽曲のよさ
  • ライブの上手さ
  • ファンベースの大きさ

 

楽曲の良さは、デモを聞いた時点でクリアしていますので割愛します。

 

ライブの上手さが、恐らく見るポイントとしては一番大きいかと思います。

 

ライブの上手さというのは、文字通り、初めて見たときに、「このバンドどこと契約してるの?」と確認してしまうほどの出来栄えです。

 

まず、ローカルバンドによくあるのは、ライブの演奏がめちゃめちゃうまいのに、絶対プロではないだろうなと思わせる、ステージパフォーマンスの一体感のなさがあります。

 

曲と曲の合間でチューニングしている姿をみるより、友人にお願いをして複数のギターを持っていき、曲が終わると同時にギターを交換をするローディーの真似をしてもらった方がプロっぽく見えますよね。

 

後は、照明だけ自分のスタッフそうさせてもらうようライブ会場に交渉をして、曲の合間に暗転してもらい、SEを流して、その間に、次の準備をしてもらい、SEが終わったところで次の曲につなげ、一気に照明を明るくさせる、ようなパフォーマンスをした方がプロっぽいですよね。

 

こういう作業を普段ベースでしているかどうかを見ています。

 

そういうバンド程、契約後、長続きするからです。

 

私が最後に本格的に活動していたバンドで注力したことは、カウントを入れずに曲を始めることです。

 

SEを使うのが一番いいですが、最終的に自分のバンドではうまくできませんでした。

 

でも、常にカウントせずに(恐らくバンド側でクリックの合図があると思います)始めるパフォーマンスを研究し続けました。

 

どんな努力や研究、腕を磨いても、叶わないのがタレント世界です。

 

また花が咲いても、長く続くかが分からないのもタレントの世界の常識です。

 

ただ、運よく、選ばれたのなら、その時の経験や知識をその後に十分に生かせるように活用していきましょう。

 

いつまでも、昔の栄光にとらわれず、過去は過去、今は、その当時の努力をビジネスの方へ生かしている方が、当時の経験を無駄にせずにいられます。

 

今バンドをアメリカでしている人がいれば、ぜひ実践してみて下さい。