海外生活したいなら - 自分の性格が全て
甘い世界ではない
海外に留学したいと考えているなら、まずは自分を理解することから始めましょう。
英語ができたから飛び込んだアメリカという国。自分の性格が助けになって生き延びれたと今でも思っている。
色々な意味で甘い世界ではないということをざっくりとでもいいから知っておいて損はないです。
私が留学からそのまま現地で社会人になって日本へ戻るまで実に17年。
いいことも沢山ありますが、それを忘れさせてくれるくらい挫折と苦労と喪失感もあります。
その苦境を切り抜ける人だけが、海外生活で幸福感を感じることができます。
これから留学を考える人のために、実際に経験した苦労や挫折感、驚かされたこと、うそのような本当の話などを、シリーズにわたって紹介していきます。
自分の性格が全て
これが結論です。
あなたの性格を自分で判断してみてください。
色々な判断の仕方があると思いますが、「留学」という観点から入り込もうとしている人向けに、「留学」での経験を紹介しましょう。
結論から言います。
大雑把な性格
許せる性格
すぐに忘れられる性格
物事をマクロでみる性格
メリハリがついた性格
であれば、問題なく長く生きていくことができると思います。
見てわかる通り、日本には少ない性格かもしれません。
一つ一つ説明しましょう。
大雑把な性格
留学において、米国に住む拠点を持っていない場合は、学生寮に住むことになります。
日本人は今でこそルームメートを持つことも増えたと思いますが、1995年には、それほど普通ではなかったと思います。
米国には、そこにアメリカ人だけではなく、世界中から様々な特徴や性格を持った方々が集まります。
国が違えば、育った環境で培う常識が違う。
日本人は、「常識で言ったらありえない」というフレーズを言う人がいますが、米国のように幾多の人種が集まる国においては、常識は数えきれないほどあります。
常識の定義は、簡単に言うと、「こうであって当たり前という考え方」ですよね。
日本でその考え方が通用したのは、ほぼ日本人しか周りにいなかったからなんです。
今でこそ、海外の方が多く住むようになりましたよね。
でも、海外の人がいない世界に生きている人からすれば、外国人が隣に住んでいるのは「常識から考えてあり得ない」というかもしれません。
でも、米国に住めば自分の隣人は、日本人から見たらすべて外国人であり、必ずしもアメリカ人でもない。
相手からすれば、あなたこそ、外国人です。
海外に観光以外で移り住むならば、
「常識」を捨ててください。
この常識を捨てられなかった人は、海外で全てが困難に感じます。
英語を勉強する前に、常識の断捨離を行ってください。
許せる性格
許せる性格になるには、そうとうメンタルが強くなければいけません。
許すということは、一度は、許しがたい経験をされたわけですからね。
その経験を飲み込んで、「まぁ、いいか!」と思えることが海外では必要だと思います。
留学したての頃、同期で神経質な仲間はほぼ100%途中で帰国しました。
まず、寮生活が始まると、ルームメイトを持つことが殆どです。
お金をもっと積めば一人部屋も可能です。
ここでは、ルームメイトを持たなければならない環境を経験する人の話をします。
ルームメイトととは、同じ部屋で生活し、シャワールームを共有する場合もあります。
共同シャワーの場合もあります。
同じシャワールームを共有する場合、使用した後がきれいじゃないことはざらです。
髪の毛がたくさん落ちていたり、排水溝にたまった髪の毛は、もし学生寮がアパートになっている場合、清掃員はいませんので、誰も片付けてはくれません。
誰かが片付けるのです。
そして、それはたいてい彼らではありません。
学生寮の騒ぎは半端ない。
学生寮で勉強はしない方がいいです。
騒ぎ方やいたずらが尋常じゃないレベルにまで達します。
それを腹立てるのではなく、笑えるようになってください。
それだけで、学生生活が本当に楽しい思い出に変わります。
英語を話せないことで、いたずらをしてくる学生が必ずいます。
コケにされ腹を立てれば、相手は楽しいです。
コケにされても、冷静でいると、何をしてくるかわからない人に見えてくるので、意外と軽視されなくなります。
常に冷静にいるためには、いたずらを許せるかどうかです。
すぐに忘れられる性格
基本的に嫌なことは必ず覚えています。
根に持つことはない人でも、嫌な経験や言われた言葉などは、恐らく一生覚えています。
それでも、言われた相手のことはなるべく早い段階で忘れることができる人、時間が解決してくれる性格の人が、海外生活で開花する人です。
言い換えると、嫌な経験が将来の何かしらの糧にできる人が、どこに行っても幸福感を得られる人です。
渡米して生活が始まったときに、コンタクトレンズを購入する必要がありました。
それは、かけていた眼鏡を踏んでしまい壊れたからです。
コンタクトの方が値段が安かったので、コンタクトレンズへ変えることにしました。
初めての経験なので、購入する際に着け方の説明を聞く必要がありました。
しかし、運悪く眼鏡店にいた眼科医は、英語が話せない人間には非常に冷たく、英語が理解できないたびに強い口調で話を続けてきました。
日本人は、英語の聞き取りはできないものの、読み書きは得意なので、書いていることなら分かります。
イライラしたその医者は、カルテに「通訳を連れて来なさい!」と一言書いて、私を帰しました。
この追い返され方が非常にショックでした。
日本に住んだと店員さんが基本的には至れり尽くせりなところがあるので、海外に行ったこの経験は、生涯で初めて経験でした。
日本に住んで米国へ移住して、日本に帰国した今考えれば、お客様は神様だという日本の考え方の方がやり過ぎかなと思えますが、当時はそうは思えなかった。
後日、英語が分かる知人と一緒に眼鏡屋を訪れ通訳をしてもらって、無事にコンタクトレンズを購入することができました。
その知人は、現地の外国人と結婚し永住していた日本人でしたが、その人に「通訳を連れてこい!」と紙に書かれたことを伝えたら、
「そんな失礼なこと言われたの!!!」
と怒っていました。
移住したばかりの自分には、あの失礼な扱われ方が普通なんだと思いましたが、もしかしたら、本当にどの国の人から見ても失礼な扱われ方だったのかもしれません。
でも、そういう事実も、出来るだけすぐに自分の中で許すことで、楽に生きられます。
辛かったり驚いたりして心に傷を負ったときは、それを笑い話に昇華するしかありません。
物事をマクロでみる性格
日本人が得意とするのは、細かい場所での作業、細かいことへの配慮など、細かいことに気が回ることです。
しかし、逆に言うと、細かいことを気にしてしまうのです。
アメリカに大雑把な性格の人が多いと、その国しか言っていないから言えますが、正直、基本的にみんな大雑把だと思います。
日本だけが細かいことに気が付くか、気にする国民なんだと思います。
海外の人は合理的と言うことを耳にしますが、いい意味で面倒くさがり屋の性格が世界の基本です。
面倒くさがり屋がいいことなのかどうかは、人それぞれ判断が異なりますが、新しい商品は、「面倒くさい」という思いから生まれます。
どうせ持ち帰るのにファストフードやスタバで一旦降りて買うのは面倒くさい、からドライブスルーは生まれています。
「面倒くさい」はモノづくりの永遠なヒントなのです。
このようなことをイノベーションと呼ぶのであれば、アメリカはイノベーションが上手。
日本は、出来上がったものを、かゆいところまで手が届くレベルまで改良するのが上手。
でも、海外に住みたいなら、前者になることをお勧めします。
1点、日本が得意とするかゆいところまで手が届くレベルまで質の高いモノづくりができることが、市場で負けたいい事例があります。
それは、TVです。
米国では、日本のTVは質の高いTVと評価されていましたが、LGなどの韓国勢がかなり安い価格で攻勢に出てきました。
質は、日本製の方が勿論高いのです。いろいろな機能も付いています。
LGは、安いですが、一般消費者からすると日本製TVとの差が分かりません。
結局、消費者が気が付かない質の高さは、お金を払う価値はないのです。
分かるところだけにお金を払います。
非常にシンプルですよね。
日本人は、日本製に保険を込めて大金を払います。
海外では、モノを大事にする人が多くいるわけではありません。
形あるものはすぐに壊れるのが基本です。
壊れたら次のものを買う。
であれば、安いのを購入し、数年で壊れた時に数年分アップグレードした新型を購入した方が、気持ち的にリフレッシュされます。
日本製が壊れにくいから、購入金額を実際の耐久年数で割れば1年あたりにかかるコストは安いと思えるのかもしれません。
購入するときにそこまで考えないです。
実際に何年持つかなんて購入するときには仮説でしかないですからね。
しかし、年々電気消費の効率も良くなるわけだし、何年かで壊れて買い替える方が、ランニングコスト的にいい買い物なんじゃないかなと思う今日この頃です。
メリハリがついた性格
米国で見習わないとな、と思ったことは、どんなに遊びに夢中な学生も、試験前になると図書室で勉強手中モードに切り替わるということです。
50%遊んで50%勉強する。
このスイッチの切り替えは、日本人は見習うべきだと思います。
日本人の性格は、普段から、それなりにきちっとしています。
パーティーがあったとしても、比較的理性を働かせながら、理性を秤にかけながら遊んでいる人も多いかもしれません。
アメリカでは、とことんまでバカ騒ぎを学生時代はしています。
絶対勉強していないな、この人、と思う人が、哲学で毎回Aをとっていたりすることはざらにあります。
見た目で判断できない。
ONとOFFの入れ替えが生まれながらに上手なところは、留学を考えているのなら学ぶ必要があると思います。
言いたいことは言える性格
米国に限らず、日本で文化的にある
「言わなくても、それくらいはできて当たり前」
「言われなくても普通するでしょ」
「まず、ありえない」
これは、海外では通用しません。
会社の管理職が
「言わなくても、これくらいやってくるのが当たり前だろ」
とか叱責するのを見ると、日本仕様だと思ってしまいます。
勿論、海外の人だって、自分で仕事を見つけて業績を上げていきますよ。
でも、誰かに何かを依頼する場合は、「どういうものを仕上げるのか」をブリーフィングといういうものを依頼する側がするか出すかします。
特に代理店に何かの制作やプラン作成を依頼する際は、依頼するお金を払う側が、ブリーフィングというものを提出して、代理店は、その通りに仕上げていきます。
それは外資系で学んだこと。
その後、国内企業で働いたとき、だれもブリーフィングというものをしない。
金を払っている方が偉い、という考え方
言葉でちょこっと説明して、なんかいいものない?
ということは中小企業なら普通にある。
つまり、依頼する側に出来上がった画が思い描けてないってこと。
言いたいことを言うっていうテーマから若干それましたが、言わなければ相手には伝わらない、ということが言いたかったのです。
自分の胸に手を当てて考えてみろ!
って言われても
「何を?」
となる。
不満なら不満な内容を伝える。
面と向かって不満をぶつけることは普通で、意外とその場が過ぎると、しれっとして普通になるってこともよくあります。
言わないから察してっていう行動をよくしている人がいるなら、留学や海外移住の前に、考え方を直してみましょう。